(1)中学校英語と同じような感覚で白井英語塾で勉強しても、受験では通用しない!
①中学英語講座との違い
 一言で言うと「授業では勉強が完結しない」ということです。白井英語塾では中学生に対して、大阪府の公立高校入試、学校での定期テストでいい結果を出すことが第一目標とする、ということを前提に授業を進めています。定期テストの進度に合わせて勉強しても受験には間に合いますし、テストの勉強をすることがそのまま実力の向上につながるからです。これらは基本的に「授業中に完結するように」用意されていました。(もちろん、さらに上を目指す場合は授業時間以外の自習が欠かせませんが。)ただ高校英語では授業だけでは英語の勉強が完結しません。高校英語は中学英語と比べて暗記量が膨大ですし、文法事項や取り組む文章の難易度も中学英語とは比べ物になりません。定期テストの勉強だけを定期的にしているだけ(テスト前に勉強しているだけ)では覚える量よりも日々忘れる量のほうが多くなり、結果として定着しないままになってしまう。そして受験勉強の際に一気に取り返す、という形になってしまいやすいです。

②過去エピソード(自分語り)
 これは自分の話なので恥ずかしいのですが、私が受験勉強を始めたのは高校3年生になる手前(高2の3月くらい)だったと記憶しています。最初に予備校で受講した講座は「関関同立受験コース」と呼ばれるものでした。志望校が同志社大学だったという非常に安直な理由で受講したのですが、いざ英語の授業の予習をしはじめて愕然としました。長文の問題だったと思うのですが、最初の1行目から全く日本語に訳すことができなかったのです(辞書を使っても!)。当時の私にはそもそもその授業を受けられるだけの実力(基礎が)が、全くと言っていいほど足りていなかったのです。急いで別の授業に変更する手続きをして、自分に合った(と当時の私が感じた)先生の授業を取り直すことになりました。
 
 さて、一見失敗談のようにも思えるこの昔話ですが、この出来事があったからこそ現状と目標との距離が明確になりました。いや、正確に言えば距離がありすぎてどの程度の努力で到達できるのかさえわからない、ということがわかりました。その結果私が下した決断は「可能な限り限界までやってみる」という方法でした。その結果合格できれば問題ない、合格できなければそもそも無理だったということがわかる、という理屈です。中途半端に勉強面での成功体験がなかったのもよかったかもしれません。
 
 おそらく1年間で授業を受けている時間以外に2500時間以上(大体1日平均7時間ぐらいでしょうか?)は自習したと思います(もちろん英語の勉強だけをしていたわけではありませんが)。それでも受験期の自分の英語力を振り返ると、十分な実力があるとは到底言えない程度の学力だったと思います。無事志望校には合格したので、ある一定の基準は超えてはいましたが、今振り返るとお粗末な実力でした。(それでも英語に1番時間を費やしていたとは思います。)

③現在の大学受験の難易度は過去よりも上
 恥ずかしくも自分の話を長々としてしまったわけですが、私が合格したのはあくまでも私立大学。科目を絞って勉強したうえでの結果です。その私立大学も現在では合格者数を制限するようになった結果、以前と同じ感覚では合格は難しい、というのが現状です。言わずもがな上位国公立大学の受験は私の経験談など全く参考にはなりません。私の経験談を聞いて「そんなに勉強したんですか!?」となっていてはそれらの大学に合格するのは夢のまた夢、というところでしょう。まぁ何が言いたいかというと高校1年生から2年生の時期に基礎的な英語力を身に着けておかなければ1年間では到達できる地点には限界がある、ということです。もちろん個人の資質やスタート地点の学力にもよるとは思いますが。私の場合は本当にゼロからのスタートでしたので、そうでない方はもう少し余裕があるとは思いますが、英語は知識量と練習量がものをいう科目なので3年生からの勉強だけではどうしても量が不足するのではないかと思います。

④まとめ
さて、長々と話しましたが私が高校英語を開講しなかった最大の理由はこれで、大学受験に向けた勉強の姿勢についての価値観を共有することが難しいと感じていたからです。白井英語塾はよくも悪くも非常に通いやすい塾だと思います。基本的には週に2回、用意されたものをしっかりとこなしていればテスト勉強にも困らないし、受験英語に関しても道筋は整えられています。ただ大学受験に向けた英語の勉強として見た場合、白井英語塾での過ごし方(つまり英語の勉強は授業中に完結する、という考え方)ではそもそもの量が圧倒的に足りません。私にとっての大学受験勉強とは(1年しか勉強していない身で偉そうなことを言わせてもらえれば)、単語帳を1冊覚えきるのも、1冊のテキストを繰り返し繰り返しやりこむのも、雨が降ろうが台風が来ようが文化祭や体育祭があろうが定期テストがあろうが毎日自習するのも、土日は1日中自習するのも、どれも普通のことで特別なことではないという感覚が前提になっています(一応補足しておくと学校行事にはちゃんと人並み以上に参加してました!笑)。もちろん1年生のときからここまで徹底する必要はないとは思います。ただ自らの意志で自習し続けることが受験勉強に対する基本姿勢である、という価値観をある程度は共有できていなければお互いにとっていい方向に物事が進まないと思います。ですので受講を検討される際はそれらを踏まえたうえでお考え下さい。

(2)授業の概要
さて、いつも通り長々と語りましたが、授業の概要について説明しておきます。
①1年間で高校範囲の基本的な文法事項はすべて学習する予定です。ただ文法事項や単語の定着を授業で完結させることはできません。あくまで授業は理解のための入り口、そして暗記の割合をなるべく減らすためのものだと考えています(英語が暗記科目である、という事実はかわりませんが)。
②定期テスト対策を授業中に行うことはありません。定期テストの勉強を理由とした欠席も認められません。定期テストを軽視しているわけではありません。塾での授業があることを前提にして過ごしていただければ、塾の授業のせいで欠点をとることもないかと思います。これは私の中ではかなり大切なことなので、理解できない方は受講されないほうがいいとも思います。「とりあえず英語はやっておいたほうがいいだろう」「中学生時代と同じように英語を学びたい」という方にはおすすめしません。そもそも多くの方が受講することもあまり想定していません。「単純に英語をより深く学びたい」という方や「受験を想定して準備を始めたい」という方に向けたものであると理解しておいてください。
(3)最後に
 なんやかんやと言いつつもついに高校英語講座を始めることになりました。思えば先代の白井先生も何度か始めようかと考えられていましたが、本格的には実現しないままになってしまいました。そう考えれば私にとってもこれは長年実現できなかった新しい試み、ということになりますので楽しみでもあります。今では誰もが安価に高いレベルの英語を学習することができます。スタディサプリを始めとしたオンラインを利用した映像授業はここ数年で僕もほとんど見させてもらいましたが、自分が大学受験時に受けていた授業と比較しても全く遜色ない非常に素晴らしいものだと感じました。(もちろんこの授業さえ受ければ問題ない、という類のものではありませんし、そんな授業は存在しません。)更には参考書の充実度も中学英語とは比べ物になりません。誰もが意志さえあれば高い学力を身に着けられる時代なのだと感じます。そんな中で英語を教えようというのですから受講してもらう方たちにはそれ以上の価値のあるものを提供しなければなりません。皆さんにも厳しい目で見てほしいですし、その上でお月謝以上のものを提供していきたいと思います。というわけで、私も覚悟を持って取り組ませていただきますので、受講される方がいましたら、また1年よろしくお願いします。